ICD-11において性同一性障害が精神疾患から削除され、名称が性別不合に変更となることにつき、一般のかた及びマスコミからのお問い合わせが非常に増えてきております。これにともない、当院での今後の対応について、おおまかな暫定の予定をお知らせしておきます。

 

1.GID診療への影響

これまでは次のような場合では、「除外鑑別未了またはGIDと確定診断できず」となり、ガイドラインに完全準拠していては治療を開始できないまたは治療の開始がかなり遅くなるということがありました。GI/GIC 性別不合においては、このような性別の違和感は「精神疾患ではない・病気ではない」ということになりますので、身体の治療については自己責任によるヘルスケア・美容治療ということになるため、より早期に治療を開始することができます。特に、このような変更の福利の享受主体として最も意味があるのは、中学生・高校生・未成年の性別の違和感の症例です。これまでは緩やかな性別の違和感や非典型的な性別の違和感については、その年齢が障害となって、こちらも身体の治療を開始するにあたり、かなり慎重な姿勢でした。しかしながら、今後は本人が望み、親御様が同意する限り、中学生・高校生でもホルモン注射を始めいずれの治療も受けていただけます。なお、18才はすでに選挙権が認められており、成人扱いですので、親御様の同意もいりません。

ただし、当然のことながら、その性別の違和感がASD自閉症スペクトラム/アスペルガー症候群/ADHD発達障害やその他の精神疾患またはパーソナリティの問題である場合には、その鑑別は従来通りに必要となります(ご本人・ご家族もそのように望んでいるはずです)。また、性別移行の最終段階であるSRS 性別適合手術については、その実施前にインフォームドディシジョンの確認のため、通常のホルモン注射の外来診療時のカウンセリングと最後のセカンドオピニオンを経ることとしており、性腺・生殖腺の除去を望むGID性同一性障害であることを確定し、手術に送り出します。なお、胸オペ・睾丸摘出(こう丸摘出)についてはもう少しライトなプロセスでの実施もできるでしょう。

 

従来であれば「除外鑑別未了またはGIDと確定診断できず」となった可能性が高いケース例

(1)緩やかな性別の違和感

(2)部分的またはイレギュラーな態様での手術の希望

(3)幼少期の自覚がほとんどない、家族も全く気付いていなかった

など

 

2.診断名の変更のご依頼

「過去にどこどこで性同一性障害の病名でもらった診断書を性別不合で出し直してほしい」というお問い合わせがかなりありますが、将来的には性別不合の診断基準に照らして再診断を行うことも考慮してはいますが、現時点では時期尚早と考えています。

 

3.倒錯的フェティシズム・異性装障害、自己女性化愛好症・オートガイネフィリアとの境界について

今後は倒錯的フェティシズム・異性装障害、自己女性化愛好症・オートガイネフィリアとの境界が問題となりますが、ICD-10とICD-11における定義の如何に関わらず、DSM4-TR 倒錯的フェティシズム・DSM-5 異性装障害(いわゆる女装趣味)はいずれも疾患となっており、GID/GDのいずれとも厳密な鑑別を要することとなっております。よって、原則として倒錯的フェティシズム・異性装障害、自己女性化愛好症・オートガイネフィリアの可能性が完全に除外されない限り、GID/GD/GIの診断に踏み込むことはありません(2つの一般に公正妥当と認められた診断基準において、ある疾患・障害についてその整合性に疑義がある場合には、より厳しい基準を採用するのが原則です)。しかるに、倒錯的フェティシズム・異性装障害並びに自己女性化愛好症・オートガイネフィリアのいずれかと、GID/GD/GIのいずれかを誤診するということはありません。また、倒錯的フェティシズム・異性装障害並びに自己女性化愛好症・オートガイネフィリアのケースにGID/GD/GIの傷病名を付すということもありえません。

 

4.倒錯的フェティシズム・異性装障害、自己女性化愛好症・オートガイネフィリアにおける治療のあり方についての影響

 当院では、これまでも倒錯的フェティシズム・異性装障害、自己女性化愛好症・オートガイネフィリアの方への女性ホルモン注射と定期検査のご依頼には対応してきております。ですので、倒錯的フェティシズム・異性装障害、自己女性化愛好症・オートガイネフィリアの方については従来通り女性ホルモン注射は受けられます(美容治療として)。

 

5.社会生活における影響(主に会社・勤務における取り扱い)

性同一性障害から性別不合への変更により、性別の違和感についてその病理性が否定されたため、会社・勤務先における法令上または就業規則上の傷病扱いと傷病規定の適用はその根拠を失います。しかるに、会社宛てに傷病としての診断書や配慮の依頼書は出せなくなります。しかし、その性別の違和感の程度が、GID/GDに準ずる程度のものであれば、改めてGID/GDとして診断基準を検討し、障害・傷病といえる程度の実体があれば、GID/GDとして書類の作成は可能かもしれません。

 

6.性同一性障害の傷病名の今後について

性同一性障害の傷病名は、ICD-10、DSM4-TR、特例法の3つに定義がありますので、これらがその傷病名の根拠となります。臨床現場では、公文書の記載においてはICDを使うことになっておりますが、症状や病態を総合的に勘案して、過去の診断基準のバージョンの方がよりはっきりと符合する場合には、その傷病名を優先的に使うことができます。たとえば、現在のあまりに包括的に過ぎるまたは生育歴生活歴の影響をほとんど認めないASDという傷病名に対し、DSM4-TRのカテゴリー診断によればその典型として当てはまるという場合には、DSM-5ではなくDSM4-TRを使います。ですので、今後当院では、性別不合の診断基準を満たし、さらにその反対の性自認が性同一性障害と同等といえるほどの程度である場合には、その性自認の程度が障害圏に達していると判断し、性同一性障害の傷病名を付すこともありえます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●その他の治療に関わること、多種多様なニーズを想定した治療の可能性など

Under Construction 今後随時加筆します。

受診予定の方はお会いしたときに直接お尋ねください。

 

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